「Webライティングで参考文献はどうやって使うの?」
「Webライティングで参考文献を使用するときのルールは?」
上記のような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
参考文献を使用すると、記事の信頼性が高まったり、読者の理解度が向上したりする効果が期待できます。
ただし、ルールを守らなければ著作権法に触れてしまい、サイト閉鎖や訴訟を起こされる可能性があります。
そこで、今回はWebライティングで参考文献を使用する際のルールや、活用例をご紹介します。
本記事を最後まで読むと、Webライティングで参考文献を使用する方法がわかり、信頼性の高い記事を執筆できるようになるはずです。
参考文献の使用方法がわからず、困っている方はぜひ参考にしてください。
Webライティングにおける参考文献とは
Webライティングにおける参考文献とは、他の人が作成したコンテンツや意見、データ等を自身の記事で使用することです。
参考文献を正しく活用するには、まずは以下4つの記載方法や書き方を覚える必要があります。
- 参考
- 参考
- 引用
- 転載
この項目では、それぞれの違いや書き方について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
参照と参考の違いや書き方
参照と参考の違いは、以下の通りです。
参照 | 作成した文章の事実確認を行うために使用したコンテンツを掲載する際に利用します。主に専門家の文献や調査結果等、明確なデータを用いることが多いです |
参考 | 他の人が作成したWebサイトや書籍などのコンテンツを閲覧し、自身の考えや解釈をまとめた時に使用します |
参考と参照の違いは、他の人のコンテンツを利用する目的です。
参照の場合、自身の考えやデータを他の人のコンテンツで正しいものと証明する際に使用します。
一方、参考の場合は、自身の考えや主張を他の人のコンテンツで補う際に使用します。
参照や参考の書き方
参照や参考を使用する際は、サイト名とURLを明記する必要があります。
参照の利用例は、以下の通りです。
2023年9月現在、日本の人口は1億2445万人です。
参考も同様に、記事内で自身の考えや解釈をまとめ、参考にしたサイト名とURLを添付しましょう。
引用と転載の違いや書き方
引用と転載の違いは、以下の通りです。
引用 | 自身が執筆した文章の割合が多く、使わせてもらう文章はあくまで補足の関係 |
転載 | 自身が執筆した文章の割合が少なく、使わせてもらう文章がメインの関係 |
引用と転載の違いは、自身の文章よりも使わせてもらう文章が多いか少ないかです。
引用の書き方
文章の引用や転載には、引用元に許可を取るケースと取らなくても良いケースの2パターンが存在します。
引用元に許可を取らなくても良いケースは、以下5つです。
- SNS上の発言
- 公的機関が一般公開している資料
- 著作権フリーと明記されている文章
- 著作者・著作権者から許可が取れた文章
- サイト上に引用の許可は必要ないと記載されているもの
引用の利用例は、以下の通りです。
【2023年(令和5年)9月1日現在(概算値)】 <総人口> 1億2445万人で、前年同月に比べ減少 |
引用:総務省統計局
引用を行う際は、背景色を変えたり、枠線をつけたりして自身の文章と区別できるようにしましょう。
また、Web上の記事はSEO評価も重要なので、以下のコードを使用して引用元と判断できるようにする必要もあります。
<blockquote>
<p><site>出典:<a href="出典元のURL">出典元情報</a></cite></p>
</blockquote>
Webライティングで参考文献を使用する際のルール
この項目では、Webライティングで参考文献を使用する際のルールについて詳しく解説します。
特に、Webライティングで使用する機会の多い「引用」のルールを中心に解説するので、ぜひ参考にしてください。
ルール1.引用しなければ記事が成立しない場合
参考文献を使用するルールとして、引用しなければ記事が成立しない場合が挙げられます。
例えば、「平成12年から平成22年の人口推移は、以下の通りです」と表形式で解説する場合、引用元がなければ読者に正確な数値を紹介できません。
信頼性の高い記事を作成するための引用なので、「引用しなければ記事が成立しない」という要件を満たせます。
引用を行う際は、自身が作成するコンテンツは引用がなければ成立しないか考えましょう。
ルール2.引用する箇所と自身のコンテンツをはっきり区別しなければいけない
引用する箇所と自身のコンテンツをはっきり区別しなければいけないことも、Webライティングで参考文献を使用する際のルールです。
引用箇所と自身のコンテンツを区別する方法は、以下の通りです。
- 改行する
- 引用タグで引用箇所を囲む
- 引用箇所の背景色を変える
- 引用箇所の文字を薄くする
- 記号(“”や「」など)で引用箇所を囲む
引用する際は、読者が視覚的にわかるように自身の文章と引用した文章を区別する必要があります。
ルール3.自身の文章がコンテンツの主体でなければいけない
引用する文章は、あくまで自身の文章を補足したり、信頼性を担保したりする補助的な役割として使用する必要があります。
引用する文章がメインのコンテンツになってしまうと、著作権違反となってしまい、サイト閉鎖や訴訟問題に発展する可能性が高いです。
作成した文章がメイン、引用元の文章はあくまで自身の文章を助けるサブとして使用しましょう。
ルール4.引用元を明らかにしなければいけない
Webライティングで参考文献を使用する際は、引用元を明らかにしなければいけません。
引用元を明らかにせずに記載すると、著作権法違反に該当する可能性があります。
著作権法第48条の1項と2項では、以下のように規定されています。
第四十八条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない。
一 第三十二条、第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第一項、第三十三条の三第一項、第三十七条第一項、第四十二条又は第四十七条第一項の規定により著作物を複製する場合
二 第三十四条第一項、第三十七条第三項、第三十七条の二、第三十九条第一項、第四十条第一項若しくは第二項、第四十七条第二項若しくは第三項又は第四十七条の二の規定により著作物を利用する場合
三 第三十二条の規定により著作物を複製以外の方法により利用する場合又は第三十五条第一項、第三十六条第一項、第三十八条第一項、第四十一条、第四十六条若しくは第四十七条の五第一項の規定により著作物を利用する場合において、その出所を明示する慣行があるとき。
2 前項の出所の明示に当たつては、これに伴い著作者名が明らかになる場合及び当該著作物が無名のものである場合を除き、当該著作物につき表示されている著作者名を示さなければならない。
引用元:e-Gov法令検索
引用は、自身の文章をサポートしてくれるものなので、敬意の意味も込めて必ず引用元の記載は忘れないようにしましょう。
ルール5.引用元文章を改変してはいけない
Webライティングで参考文献を引用する際のルールとして、引用元文章を改変してはいけないことも挙げられます。
引用は、他の人のコンテンツを改変せずに自身のコンテンツに利用する行為です。
そのため、引用元文章を書き換えたり、修正したりすることはルール違反に該当します。
仮に、引用元文章を改変してしまうと「著作権法第20条」に違反してしまい、ペナルティを受ける可能性があります。
第二十条 著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。
引用元:e-Gov法令検索
ただし、第20条の2項では、以下のとおり特定のケースで修正が認められています。
2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する改変については、適用しない。
一 第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第一項、第三十三条の三第一項又は第三十四条第一項の規定により著作物を利用する場合における用字又は用語の変更その他の改変で、学校教育の目的上やむを得ないと認められるもの
二 建築物の増築、改築、修繕又は模様替えによる改変
三 特定の電子計算機においては実行し得ないプログラムの著作物を当該電子計算機において実行し得るようにするため、又はプログラムの著作物を電子計算機においてより効果的に実行し得るようにするために必要な改変
四 前三号に掲げるもののほか、著作物の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる改変
引用元:e-Gov法令検索
Web記事への引用に当てはまるケースがほとんどないため、基本的に引用元の修正は控えましょう。
Webライティングで参考文献を使用する例
この項目では、Webライティングで参考文献を使用する例についてご紹介します。
参考文献の使用方法がイメージできない方は、ぜひ参考にしてください。
Webページから引用
Webページから引用する際は、自身の文章と引用元の文章を視覚的にわかるように区別する必要があります。
上記でも解説した通り、背景色を変えたり、引用箇所の文字を薄くしたりして自身の文章と見分けがつくようにしましょう。
また、SEO評価にも影響がないように、以下のタグを設定する必要もあります。
<blockquote>
<p><site>出典:<a href="出典元のURL">出典元情報</a></cite></p>
</blockquote>
画像や表も同様の方法で引用できます。
紙の辞書や書籍から引用
紙の辞書や書籍から引用する場合、リンクを貼る代わりに以下の情報を記載する必要があります。
- 本のタイトル
- 出版社名
- 出版年
- 著者名
なお、共著者がいる場合は著者名の後ろに「〜ら」と記載しなければいけません。
紙の辞書や書籍から引用する具体例
出典:村上春樹(1987年)「ノルウェイの森」講談社出版
SNSの投稿から引用
SNSから投稿を引用する際は、埋め込み機能を利用しなければいけません。
各SNSの利用規約を確認すると、埋め込み機能を利用した引用や転載は許可という旨の記載があります。
投稿をコピー&ペーストして記載するのではなく、埋め込み機能を活用しましょう。
雑誌から引用
雑誌から引用する場合、以下の情報を記載する必要があります。
- 雑誌名
- 論文等のタイトル
- 号数
- 出版社
- 出版年
- 引用箇所の掲載項
雑誌から引用する具体例
出典:橋本一明「不幸への捨身」『世界文学』1966年第 4 号34 頁
Webライティングで参考文献を使用する際の注意点
Webライティングで参考文献を使用する際の注意点は、以下2つです。
- 必ず一次情報を引用する
- 信頼性の高い情報を引用する
注意点を守らなければ、記事の信頼性が落ちたり、間違った情報を引用してしまう可能性があります。
必ず一次情報を引用する
Webライティングで参考文献を使用する際は、必ず一次情報を引用するようにしましょう。
一次情報とは、情報の発信元や公的機関が集めた正式データのことです。
作成には、手間や資金が必要となるため、情報の価値が高くなる傾向にあります。
一次情報を引用しているだけの記事は、二次情報や三次情報と呼ばれており、情報の信頼性に欠けています。
例えば、ニュース記事に引用したい情報がある場合、ニュース記事を引用してしまうと「孫引き」と呼ばれる行為に該当します。
孫引きをしてしまうと、記事の信頼性が大きく下がるだけでなく、ニュース記事側からも訴訟を受ける可能性が高いです。
参考文献を使用する際は、必ず公的機関や企業などの一次情報から引用しましょう。
信頼性の高い情報を引用する
信頼性の高い情報を引用することも、Webライティングで参考文献を使用する際の注意点です。
信頼性の高い情報源として、公的機関や企業の公式HPなどが挙げられます。
仮に、個人が運営しているブログや著作者が不明な書籍から引用してしまうと、誤った情報を読者に伝えてしまう可能性があります。
誤った情報を記事に記載しないためにも、公的機関や企業の公式HPといった、信頼性の高い情報源からのみ引用しましょう。
Webライティングで参考文献を使用する際はルールを守ろう
今回は、Webライティングで参考文献を使用する際のルールや、活用例について詳しく解説しました。
参考文献のルールを守らず引用してしまうと、記事の信頼性が下がるだけでなく、著作権侵害で訴訟される可能性もあります。
正しく参考文献を扱うことで、説得力の高い記事に仕上がるので、ルールを守りながら利用しましょう。
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